熱屋さんには常識なのかもしれないけれど,つい最近間発見したことを.
参考文献
- 相原利雄,エスプレッソ 伝熱工学,裳華房,2009
- 望月貞成,村田章,伝熱工学の基礎 (増補改訂版),日新出版,2000
やりたいこと
熱を持つ平板とその周囲を流れる流体との間の熱交換量を表す式をまとめてみた.ただし境界層厚さの情報を含むものだけ.
記号
- :平板の先端からの距離
- :速度境界層厚さ、:温度境界層厚さ
- :主流速度
- :動粘度、:熱伝導率、:温度拡散率
- :熱伝達率
無次元数は
まとめ
層流
温度一定の水平平板上の強制対流
相原p.59、望月らp.82
温度一定の鉛直平板上の自然対流
相原p.96、望月らp.113
温度一定の鉛直平板上の凝縮熱伝達
相原p.151、望月らp.165
ここではは液膜の厚さ
ヌセルト数というのは一般に流速や先端からの距離によって変化するような印象があるのだけど,以上のように境界層厚さを基準に取れば定数になるものが多いことを発見した.ということは熱伝達率が熱伝導率と境界層厚さだけで決まるということ.とは言え,境界層厚さが流速とか先端からの距離で変化するのだから,結局はに依存するのだけど,対流熱伝達だからと言って特別な熱移動の形態がある訳じゃなくて,考え方としてこれは単なる熱伝導と見ていいということになる.
ただし以上はすべて層流の場合で,乱流の場合は違うみたい.
乱流
水平平板上の強制対流
相原p.74, 76、望月らp.133,139
この場合は右辺が定数にならない。