準同型定理
これのイラスト化を考えてみたのだけど,他の人が描いてる中では下の絵が一番分かりやすかった.
rhidetoのblog : 例6. 剰余群と準同型定理
自分なりにも書いてみる.
まず とそれらをつなぐ写像 がある.
は単射でないから となる もあり得るし,全射でないからどこからも矢印が飛んでこない も存在し得る.
全射じゃない部分は無視( の部分だけを考慮)して,単射じゃない分は の元を類別する( を考える)ことで解消できる.
そんなふうに を構成すると,この絵のように1対1対応がつけられる.
第1同型定理
準同型定理のことを第1同型定理と呼ぶことも多いようだけど,ここでは参考文献に倣ってそれとは異なる定理を挙げる.
これは準同型定理において, の元を類別して(あるいは膨らませて)正規部分群による剰余群 に置き換えるイメージ.
まず と がこんな感じであって:
に対応する がこうなってて:
を でそれぞれ割って とすれば,この2つには1対1対応が付けられる.
第3同型定理
第1同型定理は群 と別の群 のお話だったが,第2,第3同型定理では が出てこなくて,全部 の中が舞台になっている.これはさっきまで として考えていたところを,同型性を利用して の中に埋め込んでいる*1と考えることができる.
先に第3の方を説明しよう.第1同型定理を使うと第2より説明しやすい.
を絵にしてとりあえず定理を絵にするとこんな感じか.
証明は準同型定理において とおくみたいな感じだが,第1同型定理からの導出のイメージとしては,まず第1同型定理の を に, を に, を に書き換えて,
で, を の中に埋め込むといった感じ.
第2同型定理
イラスト化にあたっては と をどう表すかというのが肝だろうと思う.検索すると下図のような感じの図がよくヒットする.
第二同型定理を分かりやすく解説 | マスタノ!〜数学の楽しみ方〜
だが,乗積表のようなものを考えた方がより構造を表しうるんじゃないかと思う.
で,この絵から を考えると,
と,こんな感じになって同型になっていることが分かる.あとは第3同型定理のときと同様にして を の中に埋め込む.
参考
群以前の定理
準同型定理の本質というか,代数構造を省いたら結局こういうことらしい.