wetchのブログ

他人に見られることを想定していない書き散らかし独習ノート.物理学とかVBAとか.

電流と磁場,電磁誘導のイラスト

電磁場を説明するイラスト,というか落書きをもう少し考えてみた.

アンペールの法則

直線電流

Qクーロンの点電荷は電束を“Q”に比例するだけの“本”数,略して“Q本”伴っている,みたいな考え方はガウスの法則の説明としてよく知られている.

https://detail-infomation.com/wp-content/uploads/2020/05/電束とは-600x221.jpg*1

それに類似するように,Iアンペアの直線電流は磁場の面を伴っていて,その枚数はIに比例する枚数,略してI枚であると考える.
すると電流の周りを一周する閉曲線Cが貫く磁場の面の枚数も当然I枚である.これがアンペールの法則

\displaystyle \oint_\mathrm{C} H \cdot \mathrm{d}l = I
のイメージ.

たとえば閉曲線Cが電流を中心とする半径rの円周であるなら,C上で磁場は一定でCの長さが2\pi rということだから,磁場の面の線密度,すなわち磁場は

\displaystyle H=\frac{I}{2\pi r} \tag{1}
となる.
上の図を正面から見たところ.破線は閉曲線Cを表す.

蛇足だが,この磁場の面は磁位の等値面とは考えない.

円形電流

電流Iが半径rの円形電流の場合,それに伴う磁場は実際は無限遠方まで存在し,こんな感じになる:


だけど、簡略化して次の図のように考えてしまおう:
円形電流の断面図.rは円の半径.
電流が伴うj枚の磁場の面は半径と同じrの距離までしか届かない.すると円の中心での磁場の強さが
\displaystyle H=\frac{I}{2r} \tag{2}

となることがイメージできるだろう.

「直線電流の式(1)には\piが付いて,円電流の式(2)には付かないので間違えないように覚えましょう」*2なんてこと言わないでも,この絵で理解するほうがわかりやすいと思う.

コイル

コイルの中の磁場はこんな感じになる:

コイルの断面図.茶色がコイルに流れる電流,橙色が磁場の面

  • 磁場の面はコイルの外部には出ない
  • 1本の電流は磁場の面をI枚伴う
  • その電流が1mあたりn巻きにされている

ということから

 H=nI

がイメージできる.

電磁誘導

磁束線のループを1本考える(磁石か電磁石でもあったとする).
磁石を動かすと磁束線の残像として電場が生じる.

磁束(茶色)のループが画面奥から手前への向きに動いているとき,電場(青)は磁束の残像として生じる.向きはレンツ則より決まる.
生じた電場がたまたま導線を横切れば,その導線の内部に電場が生じるわけだから電流が流れる.