wetchのブログ

他人に見られることを想定していない書き散らかし独習ノート.物理学とかVBAとか.

湿り空気線図を描くための数式を整理する

やりたいこと

空調とかで使う湿り空気線図について文献とかをあたったんだが,具体的な数値が最初から入っていて意味&単位系が分からんかったので勉強のため調べなおしてみた.導出は省略.

まとめ

標準気圧下で乾球温度t_\mathrm{d}と(重量)絶対湿度xとが与えられた時,他の物理量は以下のように計算される.ただし温度はセルシウス度とし,比エンタルピーhは0℃の乾き空気のそれを 0 とする.

  • 比エンタルピー h
    h=c_\mathrm{air}t_\mathrm{d}+x(c_\mathrm{vapor}t_\mathrm{d}+\Delta h)
    ここで\Delta hは0℃の水の蒸発潜熱,c_\mathrm{air}, c_\mathrm{vapor}はそれぞれ空気と水蒸気の比熱
  • 水蒸気圧e_\mathrm{v}
    ドルトンの法則より次式が導かれる.
    \displaystyle e_\mathrm{v}=p_0 \frac{x R_\mathrm{vapor}}{R_\mathrm{air}+x R_\mathrm{vapor}}
    ここでR_\mathrm{air}, R_\mathrm{vapor}はそれぞれ空気と水蒸気の気体定数p_0は大気圧
  • 比容積v
    v=(R_\mathrm{air}+x R_\mathrm{vapor})(t_\mathrm{d}+273.15)/p_0
    273.15は温度を絶対温度にする定数.
  • 相対湿度\phi
    \displaystyle \phi=\frac{e_\mathrm{v}}{e_\mathrm{sv}(t_\mathrm{d})}
    ここでe_\mathrm{sv}(t_\mathrm{d})は湿り空気の乾球温度に対応する飽和水蒸気圧であり,アントワン式やTetens式など各種の実験式が提案されている.
  • 湿球温度t_\mathrm{w}
    湿球温度t_\mathrm{w}は次のSprungの式より逆算する.
    e_\mathrm{v}=e_\mathrm{sv}(t_\mathrm{w})-A p_0(t_\mathrm{d}-t_\mathrm{w})
    ここでA乾湿計係数.

最終目標はAirCalcみたいなのを自分で作りたい.のだが,逆関数を求めるアルゴリズムを整理せんといかんなあ.

追記

2018/11/3にWikipediaに記載しました.湿り空気 - Wikipedia