前回の話で一応,理想気体の場合の熱力学関数を書き下そうとした.まだ腑に落ちてはいないが,もうちょっと考えた結論として,内部エネルギは
と表せるとしよう.ここでは左右の量の次元とか基準状態での値を揃えるための係数.
今回はこれにルジャンドル変換を施していって他の熱力学関数を導出する.
U(S,V)からH(S,p)に
なんだけど,を使わずにの関数にしたいから,まずの形を求めておく.より.具体的に(1)を微分すれば,したがって.これを(1)と等置して
これをについて解けば
したがって
ここではごちゃごちゃした係数をまとめただけのもの:
H(S,p)からG(T,p)に
以降も同じようにやっていこう.を,を使わずにの関数にするためにまずの形を求める.と(2)より,したがって.これを(2)と等置して
これをについて解けば
したがってもう一度(2)を使えば
ここで
U(S,V)からF(T,V)に
を,を使わずにの関数にするためにまずの形を求める.と(1)より,したがって.これを(1)と等置して
これをについて解けば
したがってもう一度(1)を使えば
ここで
F(T,V)からG(T,p)に
を,を使わずにの関数にするためにまずの形を求める.と(4)より,したがって.したがって(4)を使えば
ここで
で,(3)のと同じになっていることで検算できている.
別の書き方
もし基準状態をあらわに書きたいのなら,添え字 0 で表すとして,
ここでそれぞれの係数と基準値との変換式は