wetchのブログ

他人に見られることを想定していない書き散らかし独習ノート.物理学とかVBAとか.

人生設計の基本公式について考えてみる

「人生設計の基本公式」というのがあると最近知った。
「今必要な貯蓄率を計算する公式」、「必要貯蓄額を求めることができる公式」だそうだ。

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  \displaystyle 必要貯蓄率S=\frac{老後生活費率X\times 手取り年収Y-年金額P-\frac{現在資産額A}{老後年数b}}{(\frac{現役年数a}{老後年数b}+老後生活費率X)\times 手取り年収Y}

どういう考え方から導出されるのかの解説がないし、こんなん見たら式変形したくなる。だからやってみた。

方針としては分数や引き算があると抽象度が増すのでなくしていく方向で考えよう。とりあえずまずは日本語を消す。
  \displaystyle S=\frac{X Y-P-\frac{A}{b}}{(\frac{a}{b}+X) Y}
右辺の分母を左辺へ。
   (\frac{a}{b}+X) Y S=X Y-P-\frac{A}{b}
両辺にbをかける。
   (a+bX) Y S=bXY-bP-A
左辺をばらす。
   aYS+bXYS=bXY-bP-A
右辺の引き算を左辺へ
   aYS+bXYS+bP+A=bXY

とりあえず変形が終わったので、ここで各項の意味を考えてみる。

  • 左辺第1項aYSは現役年数×手取り年収×必要貯蓄率。ここで、必要貯蓄率S=年あたり貯蓄額/手取り年収Y という定義なら、この項は現役の間に貯められる金額(総額)であり、老後生活開始時点での資産だ。
  • 左辺第2項bXYSはよく分からないので後回し。
  • 左辺第3項bPは老後年数×年金額ということは、老後の収入総額。
  • 左辺第4項Aはそのまま現在の資産額だ。
  • 右辺bYもよく分かんないなあ。

説明できた3つの項は資産・収入、つまり使える金額を表してると分かった。残りの項はそのままだとよく分かんないのでとりあえず右辺に移して、共通項をまとめよう。
  \begin{align} aYS+bP+A&=bXY-bXYS \\ &=bXY(1-S) \end{align}
右辺を日本語にすると、老後年数×老後生活費率×手取り年収×(1-必要貯蓄率)。これは結局老後の支出総額を表しているわけだ。Y(1-S)が現役時代の収入 - 貯蓄額 = 生活費を表していて、それに老後生活費率Xをかけた分が老後の年あたりの生活費。

ああそうか、これバランスシートか損益計算書で考えれば理解できそうだ。
収入として、左辺の3つ

  • 現在資産額A
  • 現役時代に貯められる金額の総額aYS
  • 老後の収入総額bP

の3つがあって、これと

  • 老後生活費総額bXY(1-S)

の支出がバランスするように必要貯蓄率Sを決めた、という考え方だ。大体わかりました。