過去の自分への進捗報告
wetch.hatenablog.com
「『電磁場は微分形式で表現できる』∩『微分形式は図形的な解釈ができる』
⇒『電磁場を図形的に表現できる』」
注意
- 従来の矢印ベクトルで表す方法と比較して,今回の図形的表現の特徴は
- メリットは,「右ねじの法則」あるいは「右手・左手の法則」というまったく直観的でない法則をほぼ排除できること.磁荷や磁極を考えない限りは大丈夫と思う.
- デメリットは定量的な計算に不向きなこと.特に回転矢印を3次元数ベクトルに結び付けるのは難しいだろう.北野電磁気学 p.44も参照.
- 光速は無限大.あるいは光速と比べて十分遅い範囲で考える.そのため,たとえば電束は電荷の動きに完全に(タイムラグなしに)追随して動く.
小さな粒が粗密を付けながら空間に分布している様子をイメージする.それぞれの粒にはプラスかマイナスの符号が付いている.これはそんなに難しくないだろう.全く関係ない人様の画像を借りると下図のようなイメージか.
*1
電流密度と連続の式
電流は電荷の動きであるから,逆に電荷に注目して,電荷が動いた時の“残像”が電流であると捉える.プラス電荷の動きであればそれと同じ向きを電流は持つので,それを表すため矢印を添えておく.マイナス電荷であれば逆向き.このイメージと連続の式
もしくは
積分形
を対応付けて考えると,「方程式の中に時間
微分が含まれているとき,時間
微分されていない変数は“残像”を表す」という標語にすることができる.
*2
ボールが電荷の,青く伸びる尾が電流のイメージ.(検索が悪いせいでそれっぽい画像を出せんかった.)
これも既存のイメージ通り,プラス電荷から発してマイナス電荷に集束する線のイメージでとらえる.これがガウスの法則
を表している.実際は1個の
電荷は無数の電束とつながっているが,後述のことをイメージしやすくするために,
電荷の個数と電束の本数は1:1になっていると考えておこう.電流のときは矢印の先がプラス
電荷だったのに対し,電束の場合は逆に矢印の根元がプラス
電荷になる.またこの式は時間
微分を含まないので“残像”のイメージではないことに注意.
*3
磁場とマクスウェル・アンペールの法則
電荷が動くときその残像として電流が生じると上述したが,電荷に引っ張られて電束も動くことになる.その残像が磁場である.
*4
1本の電束が右奥から左手前へ移動するときにできる面が磁場のイメージ
磁場を電流との関係で考えよう.移動元にあった
電荷の符号と電束の向きはもともとの逆になると考えると
*5,移動元の電束,プラス
電荷が動いた残像の電流,移動先の電束,およびマイナス
電荷が動いた残像の電流の4本によって閉曲線が出来上がる.その内側に磁場を表す面ができる.磁場の向きは周囲の電流と電束の向きに合わせて回転する矢印で表す.これがマクスウェル・
アンペールの法則
のイメージである.
これも既存イメージ通りでいいのだが,離散化した形で少しだけ手を加えておく.薄く色のついた半透明な物体を思い浮かべる.大きさの異なるその物体をいくつか持ってきて,空間内に重なるように配置していく.重なって色の濃くなった位置はの値(絶対値)が大きいことを表す*6.
上述の標語に則って考えると,実はスカラーポテンシャルは残像である.
*7
電場とファラデーの法則
静電場であれば電場はの等値面,すなわちの説明のとき登場した半透明の物体の表面であるとイメージすればよい.この場合は閉曲面になる.
動きがある場合.電場は磁束の“残像”である,つまり磁束の線が動けば残像として面ができ,その面が電場であるということが言える.これがファラデーの法則
だが,第2式は
を使って
とも書けることから別のイメージ:
の面が動いた時にその“動いた部分”が電場であるというイメージでもいい
*11.
構成方程式
“面”である電場や磁場と,“線”である電束や磁束を結びつけるのが構成方程式.簡単な比例関係
で表されることが多いので結局同じものと勘違いされることもあるようだけど,
非線形な場合とか
テンソルの式になったりすることもあるのだから,正確には
のように一般的な関数関係にあるとしか言えない.そしてこの関数関係は“面”と“線”を入れ替えるという
幾何学的な役割を持っている.
todo
- 光速を有限値に落とし,電磁波のイメージをつかむこと.
- 以前にやった,電磁波の時空間反転の考察をイラストにすること.
- 4次元時空でのイメージを描くこと.これができれば電場と磁場が実は同じものを回転させただけということの意味が直観的にとらえられる.