wetchのブログ

他人に見られることを想定していない書き散らかし独習ノート.物理学とかVBAとか.

確率分布の高次モーメントに関する不変量

これ考えてて1日潰れたけど、つまらん結果になった。

前提知識

平行移動X':=X-aによって、その1次モーメントは\mathcal{E}(X')=\mathcal{E}(X)-aと変化するが、2次モーメントをちょっと変形した量である分散\sigma^2:=\mathcal{E}(X^2)-\mathcal{E}(X)^2は変化しない。

問題

上記のことを踏まえて、高次モーメントについてこのような不変量はあるか?

考察

簡単のため多項式の範囲に限定すると、3次モーメントでは

\mathcal{E}(X^3)-3\mathcal{E}(X^2)\mathcal{E}(X)+2\mathcal{E}(X)^3
が不変となる。
証明というか導出法Xの次数から考えて\mathcal{E}(X^3), \mathcal{E}(X^2)\mathcal{E}(X), \mathcal{E}(X)^3の組み合わせ式になると予想されるから、任意の平行移動量aについて
\begin{align}&\mathcal{E}(X^3)+s\mathcal{E}(X^2)\mathcal{E}(X)+t\mathcal{E}(X)^3 \\&= \mathcal{E}((X-a)^3)+s\mathcal{E}((X-a)^2)\mathcal{E}(X-a)+t\mathcal{E}(X-a)^3\end{align}
が成り立つと仮定してs, tを求める。

3次モーメントに関する不変量って普通は歪度
\mathrm{Skew}_X:=\mathcal{E}\left(\left(\frac{X-\mu}{\sigma}\right)^3\right)
がよく使われるが、これとは
\sigma^3 \mathrm{Skew}_X = \mathcal{E}(X^3)-3\mu \mathcal{E}(X^2)+2\mu^3
という関連がある。ということは高次モーメントも多分
\begin{align}\mathcal{E}((X-\mu)^n) &=\sum_{k=0}^{n} {}_n C_k \mathcal{E}(X^k) (-\mu)^{n-k}\\ &=\sum_{k=2}^{n} {}_n C_k \mathcal{E}(X^k) (-\mu)^{n-k} - (-1)^n (n-1)\mu^n \end{align}
しかないんだろうなあ。

さらに問題

上記の変数変換は1次モーメントを任意に変化させ、2次以上のモーメントのある関数を変化させない.
ここから,1, 2次モーメントを任意に変化させ、かつ3次以上のモーメントの適当な関数は変化させないような変数変換はあるか?という疑問が立つ.
少なくともアフィン変換では駄目そう。斜交変換ではどうだ?

やりたいこと

歪度や尖度というのを理解するために、適当な分布から出発して歪度だけを、または尖度だけを変化させた分布というのを考えたい。