wetchのブログ

他人に見られることを想定していない書き散らかし独習ノート.物理学とかVBAとか.

c数とかq数とか,他

参考文献

量子力学で c数とかq数っていうのを聞くが,これって他にも種類があったんだ...というのを文献で知ったのでメモを置いておく.
まあ他の種類がどのくらい広く使われてるのかは知らんけど.

できるだけ本に書いてある通りに書き写してみる.

以上2つはディラックによる命名

  • e数:exterior algebra(外積代数)に属する数.すなわち体 K:=\mathbb{R}\text{ or }\mathbb{C} として, N次元ベクトル空間 K_N 上の完全反対称R重線形形式の集合 \Lambda^Rの直積集合
    \mathfrak{G}(K_N^*):=\Lambda^1\times\cdots\times\Lambda^N
    外積\wedgeを定義して,そのK_N^*上の外積代数\mathfrak{G}(K_N^*)の元がe数(K_N^*K_N の双対空間).
  • a数:anticommuting number. 反可換数であるグラスマン数の略記.任意のe数を
    \mathsf{a}=(\lambda_0,\lambda_1,...,\lambda_N) \in\mathfrak{G}(K_N^*),\quad\lambda_n\in\Lambda^n
    と表現した時に,\lambda_1以外はすべて0であるようなe数の集合
    \Gamma_N:=\{\mathsf{a}|\mathsf{a}=(0_0,\lambda_1,0_2,...,0_N)\} \subset\mathfrak{G}(K_N^*),\quad\lambda_1\in K_N^*
    0_n\Lambda^nのゼロ元)の元がa数.

性質

  • 2個のa数の積 \xi_1\xi_2 は任意のe数と可換.しかし \xi_1\xi_2=0 でない限り \xi_1\xi_2 はc数ではない.「2個」の部分は「一般に偶数個の」としてよい.
  • 任意のa数の積 \xi_1\xi_2\dots\xi_R においてm番目とn番目の因子を入れ替えれば符号が変わる.つまり,任意のa数の積 \xi_1\xi_2\dots\xi_R は添え字(1,2,...,R)に関して完全反対称.


本の続きに,a数を使った(古典)解析力学量子力学についての説明があるが,今のところ全然読み進められない...