wetchのブログ

他人に見られることを想定していない書き散らかし独習ノート.物理学とかVBAとか.

電磁気学の単位系 (2)

あれからゴチャゴチャいじっている内に比較的すっきりしたのができたので書き残しておこうと思う. 5元系 表記は前回同様 電磁気量の単位系 - Wikipedia に倣う.最初にまとめて書いとこう. マクスウェル方程式 構成方程式 ポテンシャル ローレンツ力 Wikip…

電磁気学を逆順に理解する

1. まず時空ははじめからそこにある. 2. そこに電荷・電流密度が存在したとする.これらは次の連続の式を満たす. 3. するとポテンシャルが次の波動方程式に従って生じる. (ただしここではローレンスゲージ を適用している.) 4. このポテンシャルによっ…

電磁気学の単位系

なんか2度目のマイブームが来た.前回は既存の単位系について整理していたけど,最も「望ましい」単位系とは何だろう. もちろん「望ましい」は主観であることは分かったうえでの話.そもそも現状の何が不満なのか? 自分の頭の中を整理してみる. 自然単位…

解析力学を逆順に理解する

参考文献:ゼロから学ぶ解析力学 原理 力学の原理にはニュートンの3法則以外に4つある. ハミルトン原理(変分原理):実現する経路は,作用を最小化するようなものである. 修正ハミルトン原理:実現する経路は,作用を最小化するようなものである. ポアソ…

相互依存する6変数のクラス

VBA

Air Calc というアプリから発想してある計算プログラムを考え中.6変数のうち自由度が2,つまり6つのうち2つを指定したら残りの4つは計算できるというものを考えて,その6つをまとめて扱うクラスモジュールを作りたい. どの2変数が入力されてもいいから,入…

理想気体の熱力学関数 (2)

前回の話で一応,理想気体の場合の熱力学関数を書き下そうとした.まだ腑に落ちてはいないが,もうちょっと考えた結論として,内部エネルギは と表せるとしよう.ここでは左右の量の次元とか基準状態での値を揃えるための係数.今回はこれにルジャンドル変換…

理想気体の熱力学関数

ルジャンドル変換の練習問題として理想気体の熱力学関数の具体形がほしくなったので,教科書見ながらあらすじを書いておく. 導出が異様に長いのだけどこの方法しかないの? 田崎晴明,熱力学―現代的な視点から (新物理学シリーズ),2000,培風館 理想気体の…

VBAの実行時間を測るためのクラス

VBA

VBAの話も久し振り.コードが遅い気がしたので実行時間を測ろうとしたのだけど,折角だからそれなりのツールとして作ることにした.完成イメージとしては,学生のときに使ってたMatlabの感じでレポートを出せるようにしようと思った. jp.mathworks.com こう…

マクスウェル方程式のための微分形式のエチュード(練習)

マクスウェル方程式の勉強の続きをしてるのだけど,その障壁として外微分とかホッジ作用素とかが立ちはだかってる. あまり一般的な話をされてもまだついていけないし,あくまで目的はマクスウェル方程式なので,結果だけを公式としてメモっておこう.以下,…

マクスウェル方程式の表記法について

前回までの準備を踏まえて,マクスウェル方程式を考えていく. やりたいこと 記法に関して ポテンシャル ゲージ変換 電磁場 force field 構成方程式 source filed 電流密度 マクスウェル方程式 連続の式 ローレンスゲージ 波動方程式(電磁場版) 波動方程式…

マクスウェル方程式の次元解析

マクスウェル方程式の学習者あるあるなんだけど,単位系がいろいろあるのでつまづいた.これをきちんと次元解析してみた. 基礎方程式 5元系 4元系 SI (MKSA) 単位系 γが速度cの次元を持つ場合 対称な4元系 3元系 CGS-emu単位系 CGS-esu単位系 CGSガウス,ヘ…

クレローの微分方程式

ヨビノリでクレローの微分方程式を学んだ. www.youtube.comこの講義の中では導関数をと書き直していたのでそれで気づいたのだけど,これルジャンドル変換に似てなくないか? そのこと陽に記述したのがググっても見当たらないのでよく分からない.一応英語で…

水面の盛り上がりの高さ (2)

これも次元解析していこう. 変数は高さ,表面張力,密度,重力,容器の直径。 5変数 - 3次元 = 2無次元量の場合 したがって無次元量は,毛管長をとして 5変数 - 4次元 =1無次元量の場合 長さを,高さ方向と水平方向に分ける. . 力の次元で表面張力は線張…

終末沈降速度 (2)

前回の次元解析の文献の手法を終末沈降速度の問題に応用してみよう.球形の水滴(添え字w)が空気中(添え字a)を落下することを考える.変数は直径 ,落下速度 ,水の密度 ,空気密度 ,空気粘度 ,重力 の6つ. 6変数 - 3次元 = 3無次元量の場合 一番普通…

次元解析

参考文献 次元解析への一視点-次元定数を媒介として- バッキンガムのΠ定理(1914):独立な無次元数の数は変数の数から次元行列の階数を引いたものに等しい. レイリー・Riabouchinsky論争:温度の次元を とするか,エネルギと同じ とするかで無次元数の数が変…

熱伝達率と温度境界層厚さ

熱屋さんには常識なのかもしれないけれど,つい最近間発見したことを. 参考文献 やりたいこと 記号 まとめ 層流 温度一定の水平平板上の強制対流 温度一定の鉛直平板上の自然対流 温度一定の鉛直平板上の凝縮熱伝達 乱流 水平平板上の強制対流 参考文献 相…

2次方程式の次元解析

http://www.phys.cs.is.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/class/H27-tanimura-quantum4.pdfこちらの5ページに載ってる練習問題: 問9. 2次方程式 の解は で与えられるが,これらの関係式を次元解析の観点から分析・検討せよ.について考えてみた。つまり解の公式を…

人生設計の基本公式について考えてみる

「人生設計の基本公式」というのがあると最近知った。 「今必要な貯蓄率を計算する公式」、「必要貯蓄額を求めることができる公式」だそうだ。www.officebenefit.com info.monex.co.jp どういう考え方から導出されるのかの解説がないし、こんなん見たら式変…

求根アルゴリズム (5)

VBA

まだ続き。 https://wetch.hatenablog.com/entry/2019/10/20/120414そもそもやりたかったことを思い出すと、3変数関数に対してとなるようなを1個ずつ決めたかったのだった。なのでIMathFuncインターフェイスの実装であるConcreteFunctionクラスを書いてみる…

求根アルゴリズム (4)

VBA

前回の続き。 https://wetch.hatenablog.com/entry/2019/10/19/232740少しずつ修正しながらまとめていこう。まずは標準モジュールに反復計算する本体の関数を書く。 Function IterativeCalculation(f As IMathFunc, ite As IIterationStrategy) As Double Co…

求根アルゴリズム (3)

VBA

前回の続き。 https://wetch.hatenablog.com/entry/2019/10/19/120124やりたいことがまだ残ってる。 任意に1変数関数を与えて切り替えられるようにしたい。ただしは定数パラメータベクトル。 二分法の部分を割線法に切り替えられるようにしたい。割線法 - Wi…

求根アルゴリズム (2)

VBA

前回の続き。 https://wetch.hatenablog.com/entry/2019/10/02/212051前回は1つの多変数関数を持ってきて変化させる変数を切り替えられるようにしたが、仕様を変更&追加する。 任意に1変数関数を与えて切り替えられるようにしたい。ただしは定数パラメータ…

多変数関数の求根アルゴリズムを切り替える

VBA

3つの実引数をとる関数について、次のそれぞれには独立している3つの問題を考える: 3つのうち以外には既知の定数を与えて、を動かすことで方程式を数値的に解きたい。ただし 以外には既知の定数を与えて、を動かすことで方程式を解きたい。ただし 以外には…

水面の盛り上がりの高さ

本記事はWikipediaに記載済みのため没。今回はこれを引用して遊ぶ。 http://www.nagare.or.jp/download/noauth.html?d=33-2kennkyu.pdf&dir=106結果だけ言うと、円筒形の容器に水をなみなみに入れたときにどこまで水面は盛り上がるか、容器の上端を基準にし…

フーリエ変換

VBA

新しいテーマとして、エクセルでフーリエ変換を作ろうと思う。 とは言え基本的なところは出来合いのものを使う。 https://imagingsolution.net/office/excel/fast_fourier_transform/ただコピーするだけでなく、ちょっと改造して遊ぼうと思う。 ・複素数クラ…

ムースの物理学

I.Contat, S.Cohon-Addad, F.Elias, F.Graner, R.Höhler, O.Pitois, F.Rouyer, A.Saint-Jalmes, 梶谷忠志、武居淳、竹内一将、山口哲夫 共訳、 奥村剛 監訳、「ムースの物理学:構造とダイナミクス」、吉岡書店、2016泡の集合体(単一ではなく)の物理的解説…

冷却塔の運転点を解析的に求める(求めるとは言ってない)

これまでの話の流れをぶった切って、全然違う話題。プログラミングもルジャンドル変換も飽きた。 しかも今回も解決しそうにない課題が残っている中途半端な状態で書いてみる。 モータとかポンプとか、機械にはその性能を関数で表すものがある。この場合、あ…

ルジャンドル変換

ルジャンドル変換を再び勉強中だが、以下がよう分からん。1. 線型性ってあるの?つまり、とのルジャンドル変換をとしたときに、 って言っていいの? 内部エネルギやエンタルピが示量性をもつところかすると成り立ちそうなのだけど、はっきりそう書いてあるの…

工業仕事とルジャンドル変換

ルジャンドル変換って、熱力学だとエンタルピとか自由エネルギを考えるときに出てくるだけなんだけど、よく見たら工業仕事もルジャンドル変換なんじゃないの? 仕事 (熱力学) - Wikipedia ルジャンドル変換 - Wikipediaルジャンドル変換は、関数とその変換の…

温度の単位系

物理量クラスを作るにあたって、単位の換算をしたい。と言うか、そもそもこれを自動で行うのが目的だった。 換算のうち、ちょっと特殊な立ち位置にあるのが温度、ケルビンとセルシウス度の換算。で、これで悩んでいる。物理量 - Wikipedia とか理科年表にも…